中学の学習では、数学、英語といった教科に注目が集まりますが、盲点となっている教科に「国語」があります。本年(2020年)から全面的に実施される学習指導要領が、2017年に改正されましたが、そこで焦点になっているのが、OECDのPISA(国際学習到達調査)に影響された学力観で、その中心となるのが「問題解決能力」です。これが「国語」と深い関係をもつのです。


 問題解決能力とは、「問題解決の道筋が瞬時には明白でなく、応用可能と思われるリテラシー領域あるいはカリキュラム領域が数学、科学、または読解のうちの単一の領域だけには存在していない、現実の領域横断的な状況に直面した場合に、認知プロセスを用いて、問題に対処し、解決することができる能力」http://www.intweb.co.jp/teian/PISAtoha.htmとPISAでは定義されます。


 この学力観が、数年前から高校入試、2020年度から大学入試共通テストに導入されています。後者は批判にあって記述式は延期されましたが、その他については、新学力観にもとづいておこなわれます。


 ではこの学力観を取り入れて、どのような入試になっているのか?高校入試を例にとりましょう。国語は、100字程度の論述をはじめとする記述問題が増え、数学、理科、社会では説明的な文章を読みこなした上で、文章で解答を作成する能力が試されるようになりました。


 この結果、説明的な文章を読んだり、文章記述力といった国語力がない生徒が得点しづらくなっています。そのために中学1、2年のうちから文章読解力や記述力をアップする指導する必要です。しかし、それだけでは十分ではなく、小学生時から、読書に触れる機会を増やすなどの対策がとられなければなりません。これに関して、和田秀樹さんが『国語力をつける勉強法』東京書籍、2007年で、じつに的確に国語「力」とその養成について説いています。ご両親とお子さん双方にお勧めです。